2004年 東野圭吾による長編小説。
現在までに150万部を超すベストセラー。
2009年 小説を元に寺尾聰主演で映画化される。
2014年には韓国においても映画化されています。
凶悪な少年犯罪の被害者となった少女の父親が主人公。
5年前に妻を亡くし、父と娘の2人暮らし…
悲しみの中でなかなか娘と上手くコミニュケーションが取ることが出来ない普通のお父さんです。
ある日、娘が友達と出掛けたまま帰って来ません…
娘は車で少年グループに拉致され、薬物投与、暴行されたあげく薬物の過剰摂取により亡くなります…
文字で見るよりも映像の方が残忍な犯行で、
目を背けたくなるシーンがあります。
少年らは近隣の川に死体を遺棄し、何食わぬ顔で普通の生活へ戻ります…
娘の突然の死に警察から詳しい事は何も聞かされずに、悲しみに暮れる父親…
そこへ罪を逃れようとする少年メンバーの1人が、被害者の父親へ電話をする所から急展開を迎えます。
無残にも娘を殺された父親は復讐の為に、何が出来るでしょう…
テーマは3者それぞれのさまよう刃
重い…
テーマが重いです…
少年犯罪の被害者と父親
少年法に守られ罪を犯す事を何とも思わぬ
少年犯罪者達
その少年犯罪者を復讐から守ろうとする警察…
誰の為の法律で、誰が裁かれるべきなのか…
正義とは何かを問う作品です。
少年法とは誰の為にあるのか?
そもそも少年法は少年(少女)達に罪を悔い改めさせ、更生させる為の物です…
ですから少年犯罪者が社会復帰しやすい様に
前科等の社会的ハンデを与えず、
人生の再出発をしやすくするのです。
少年法は治安維持の為だと弁護士の方々や何やら専門家の方たちはおっしゃります…
社会的ハンデを与えてしまう事で仕事に付けず、少年らはやがて窃盗や強盗などを繰り返す様になり国全体の治安が悪化するという考えなのです。
犯罪被害者の事など関係ないみたいですね…
むしろ犯罪を犯した少年らを見守り、幸せに暮らせる為のサポートをするのです…
少年犯罪の被害者や親族には何一つケアなどありません。
誰にも守られていないのです…
少年法の在り方など、私如きが語れる事ではありませんが…
とにかくこんな私にも考えるキッカケをくれる様な作品です。
ハッピーエンドとは程遠いですが、
メッセージ性のある素晴らしい映画でした。

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