2017年01月05日

映画【告白】を見た。あらすじと評価

『告白』(こくはく)

2010年公開の日本映画。
湊かなえによるベストセラー小説の映画化。

監督:中島哲也 主演:松たか子

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あらすじ


ある中学校の終業式が終わり、雑然としたホームルーム。


中学1年のまだ落ち着きがない生徒たち…


教壇に立つ担任の森口悠子(松 たか子)が静かに語り出します。

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「私は、シングルマザーです。私の娘は、死にました。警察は、事故死と判断しました。でも事故死ではありません。このクラスの生徒に殺されたんです。」


静かな語り口とは相反しこの衝撃的な告白から、物語は始まります。


娘の父はHIVに感染しており、話し合った結果、結婚はしませんでした。


彼女は愛娘を殺された母親であり、教職者という立場なのですが、すでに感情は崩壊しており人間味は全くありません…


クラスの生徒、AとBが犯人だと彼女は続けます。


13歳の幼き犯罪者


生徒A・渡辺 修哉

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森口の娘を殺した事件の主犯格。

頭脳明晰で成績はトップクラス。
周りからは一目置かれる存在ですが、自分の周りの人間を見下しています。

自己顕示欲が強く、自分が注目されるためなら殺人さえも計画する歪んだ性格の持ち主。

幼少の頃に母から捨てられ、愛に飢えた極度のマザーコンプレックス。


生徒B・下村 直樹

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同じく森口の娘を殺した共犯者。

クラスの中ではおとなしく平凡な直樹は、理想ばかり押し付けてくる母親に嫌悪感を抱いている。

母は完璧主義の超過保護。

ある日、校則違反を犯した直樹はゲームセンターで保護されてしまいます。

学校の先生が迎えにくるとのことで、森口が来てくれると思っていたが、迎えにきたのは担任ではなく体育教師。

その事から森口を恨むようになり、殺人計画を企てようとしている修哉に利用されてしまう。



この2人の境遇は正反対です。

事件の主犯格である渡辺は研究者である母から、捨てられ母の愛に飢えながら育ち、事件の共犯者である下村は母から理想ばかりを押し付けられ、過保護に育てられます。


殺害する相手は誰でも良かった…


主犯格の渡辺は世間や、周りがあっと驚く事をやってみたかった…


その幼稚な殺意は、森口のまだ幼い娘に向けられるのです。

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そして、森口は先ほど2人に配った牛乳の中に夫の汚染された血液を入れたので、二人には「命」をしっかりと噛み締めてほしいという。


娘を殺された母親の静かな復讐劇が幕を開けます…


映画の評価と興行成績



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映画観客動員ランキングでは、公開から4週連続のトップ。

2010年の興行収入では公開第8週目で35億円を突破し第7位を記録している。

日本アカデミー賞においても4冠を達成し映画『告白』は大成功を収めた。


しかしこの映画には賛否両論があって、評価が割れています。


映画雑誌「映画芸術」では2010年に公開された映画のワーストワンの映画であるという位置づけであった。


このワーストワンの理由とは、松たか子が淡々と語る長いセリフの部分が映画的ではないというところだそうです。


小説を原作とし、確かに松たか子始めキャラクターが、BGMをバックに淡々とセリフを語っていき、また映像もテレビのコマーシャルの様な映像を流す手法がとられています。


斬新なんですが、映画としてはあまり評価されなくてのワーストワンという事らしいです。


犯した罪


先生の娘を殺害する、犯人の年齢は中学1年、つまり13歳です。

刑法41条が適用され、14歳に満たざる者の行為は罰しない。


よって処罰されることはありません。


児童相談所へ送られて終了…

これ、マジです…

恐ろしい事ですが、彼らが社会的制裁やハンデを受ける事はありません…


森口はそれを知っているからこそ自ら復讐するのです。


娘を殺害された森口先生の罪はどうでしょう…


少しネタバレあり


彼女が復讐の為に仕掛けた罠で、何人かは亡くなりますが、直接犯行は犯していません。


@エイズ患者の血液を牛乳に混ぜる

これは結果として混入させてませんので、傷害罪にはあたりません…

たぶんこれは立件不可能です。


A後任の熱血教師を使い少年Bを精神的に追い詰めるような行為を行う


後任教師を操っている証拠はありません。

操っていたとしても、その結果が少年Bの母親を殺しに発展したかどうかは誰にも判らない。結果的にそうなった、というだけ。


Bこれは完全にネタバレになりますので、あえて伏せます…


全てを含めても、これらを蓋然性の殺人と言います。

簡単に言うなら「起きるかもしれないけど、起きないかもしれない(どっちでもいい)」こと。

まさに「告白」内の事件は全て「起こるかもしれないし、起こらないかもしれない」のです。


これは作者が意識的に仕掛けています。


作者の思い


作者の湊さんは、この作品を書いた動機を、無差別殺人を起こした犯人が口々に語る「誰でも良かった」
という言葉に対する疑問、つまり「誰でも良かったのなら、何で身内を殺さないのか?」
という疑問点から出発したと語っています。


つまり、そこには、「誰でも良い」と言いながら「(私の知らない人の中からなら)誰でも良い」という、酷く身勝手なエゴイズムが根底にある、ということを湊さんは描きたかったそうです。


未必の故意、蓋然性の殺人は、まさに「起こっても起こらなくても良い」んですね。

物凄く身勝手で、エゴイスティック。

無差別殺人と根底がつながってるんですよ。


この映画では、腐敗した人間模様が映し出され、育児放棄やいじめ、殺人、数々のショッキングな出来事が詰め込まれています。


しかし全てのキッカケは少年Aを捨てた母親から始まっているのです…


少年Aを育児放棄したことにより、全ての人を巻き込み、負の連鎖が始まります。


そしてその罪を誰に問えば良いのでしょうか?








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posted by メシア at 12:28| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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